一級建築士事務所 田野
建築設計室

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鞍馬口の家

構造:RC 延床:82㎡(2LDK) 家族構成:3 施工:設計施工舎 kurashito

自分が地上からどのくらいの高さに居るか、地面との距離感、空の広がり方、窓からの風景、風の強さ、出会う虫の種類など、小さな現象から大きな現象までの微細な情報が身体感覚を揺さぶってくる。地面に近いところにいると、地上から空の広がりを見上げ、展望台のような高い場所からはミニチュアのような地上の広がりを一望する。日常的な状態としての住宅であれば、本能的に地面との関係を考える。人間は地上の生き物として地面との関係を感覚的に捉えようとする。建物の頂部に構えるペントハウスの魅力はそこが一番上だと認識する屋根との距離感にある。屋根はその上に広がる空を感じると同時に、その下に地面があることを伝える。勾配屋根は降り積もった雨を下に(重力をして)導くことで、雨の流れを想像し、地面に浸み込んでいく様から地上を感じる。地上〇mの楽園は、地面との距離を図ることで成立する居場所である。
5階部分に位置する本計画では、眼下に広がる瓦屋根の街並みと広い空、遠くに臨む山並みを暮らしに定着させるための勾配屋根(勾配天井)を設け、ここが地面からどのくらいの高さに居るかを認識する指標を考えた。勾配天井によって低く絞られた風景は、窓辺に近づくと広がりを感じ、部屋の奥からみると、室内風景と相まって不思議と風景が近くに感じる。窓辺には腰壁のあるベンチを配し、部屋の奥には元押入部分を暗がりのある書斎とし、籠れる小間を設えた。南北をすり抜けるように視線と導線を繋ぎ、点在する異なる居場所(小間)が住み手の暮らしの気分に寄り添う。
人の心の在り方は必ずしも一定でなく、揺れ動いている。小さな居場所(小間)を点在させることは、常に揺れ動いている人の心の居場所として、有効に機能すると考えている。





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