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下鴨の家Ⅱ
木造二階建の新築住宅。
建て込んだ住宅地の中にあって、外の風景と内の風景のバランスを考える。住宅地では、窓からの風景の先には、取り込むことでその場所にいることを感じられる日常の風景と、できればお互い見えないほうが良い雑多な風景が混在している。特権的な風景がない状況にあって、プライバシーと開放性の両立を考えると、自ずと窓と室内風景をいかにバランスよく混在させていくかが鍵となってくる。コントロールしやすいインテリアの在り様と、コントロールしきれない外の風景の在り方。外の風景を都市の自然と捉えて、ポジティブな姿勢で取り込む意志と、プライバシーという暮らしの中のリアルで切実な状況。住宅は、必ずしもどちらかに傾くことはなく、日々の状況や暮らす人のその日の気持ちで、波打つように揺れながら様々な心の在り様が、常に行ったり来たりしている。どんな気持ちの状態でも、包み込んでくれる存在が住宅の役割である。
人が町に住むことは何か、暮らす人を包み込むとは何かを考えながら計画していく。
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